※『リニア関連』のバックナンバーは以下
→10月16日「リニア対策PTが始動!!」
→11月1日「リニア中央新幹線南アルプストンネル工事の行方は!?」
→1月21日「リニア問題の深掘りを進めています。」
→3月31日「全会一致。リニア問題に関する決議を可決!!」
→5月25日「リスクコミュニケーションなくしてリニア問題解決なし。」
去る6月26日、ついに川勝平太静岡県知事と金子慎JR東海社長とのトップ会談が実現しました!
終始穏やかな様子で会談は進み、あっという間の1時間半でしたが、その成果はどうだったんでしょうか?
また、リニア中央新幹線南アルプストンネル工事の今後の行方は?
以下、分かりやすく解説してみたいと思います↓
(さらに詳しくお知りになりたい方は、是非バックナンバーもご覧下さい。)
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トップ会談の成果は?
率直に言えば、成果は特にありませんでした。
JR東海社長からは、トンネル本体工事に先立つヤード(作業基地)工事の許可を求め、知事は条例の手続きに則って、それは認められないと答える。
これまでしてきたJR東海と静岡県とのやり取りを、トップ同士が繰り返しただけの形に終わったということです。
ただ、JR東海からすれば、
「静岡県のせいで2027年の開業予定に間に合わなくなった」
というストーリーを全国に発信できたという意味では、成果はあったのかもしれません。。。
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本当に静岡県が足を引っ張っているの?
全く違います!!
ヤード工事を認めることができないのは、法と条例に基づく環境アセスメントの手続きの一環として、取るべき「環境保全措置」等が盛り込まれた「自然環境保全協定」が結ばれていないからです。
では、その原因は何か!?
それは、JR東海が対話するのに必要な資料をなかなか提出しない、あるいは詳細な調査をしようとしないという「消極姿勢」にあると思われます。
つまり、議論が進まないんです。
「失われる大井川の水を全量戻す」という表明も、静岡県の意見から4年半もの年月がかかっているのです。
これは、私が静岡県民だから言っているのではなく、現在国交省が主導して設置されている有識者会議の専門家からも指摘されていることです。
また、実は静岡県以外の工区(例えば長野県や岐阜県)でも、工事に遅れが生じています。
全体としても非常に難しい工事であるのに、さらにその上をいく世界最難関の工事が南アルプスの地下1000メートルを貫通させる本トンネル工事です。
環境破壊だけでなく事故や災害等も懸念されますよね・・・
よって、この現実にしっかりと向き合い、JR東海として対策を真摯に考える姿勢に転換することが、工事着手に向けた一番の近道といえます。
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今後の展開は?
まずは、上述の国の有識者会議での議論を見守る必要があります。
次に、そこで出された方向性をもとに国交省がJR東海に指導を行った上で「自然環境保全計画書」案を作成。
その案を、県が設置している有識者会議で協議または修正して「自然環境保全協定」を締結する。
これらのプロセスに沿って、粛々と作業を進めていくことになります。
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リスクコミュニケーションなくして問題解決なし
ただ、その時に大切なのは、リスクコミュニケーション(科学的根拠に基づいた対話)を尽くすことです。
この問題を一番心配している大井川流域の皆様にしてみれば、JR東海からの適切な情報や信頼関係がないと、リスクを大きく見積もってしまいます。
逆にJR東海にしてみると、現場や地域に寄り添って行動しないと、認識が足りず、リスクの見落としや過小評価が生じやすくなってしまいます。
その差を縮める作業が、まさにリスクコミュニケーションなのです。
(これも、ずーっと静岡県がJR東海側に言っていること)
焦る気持ちは分かりますが、今のまま強引に工事を進めては、後世に禍根を残すことになるでしょう。
急がば回れ!!
今後の議論が、科学的な対話に基づいてなされますように。
そして私たちも、会派のプロジェクトチームを中心に、引き続き活動をしてまいります!